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先生「侃ちゃん」と呼んでくれて
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詩人で評論家としてもよく知られる大岡信さんが4月5日逝去されました。安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄の木造校舎2階ギャラリーの廊下に、力強い筆致の大岡信さん直筆の詩がお守りのように架かっているのをご存知の方も多いと思います。
1997年初夏、アルテピアッツァ美唄オープンから5年、水の広場がようやく完成した年に、アートスペース(旧体育館)で講演会をしてくださいました。「安田侃の彫刻には、ここに永久の時間があるという感じがする。そこに永久の時間があるというだけじゃなくて、時間が絶えずじっと瞑想しているように、生きて息をしているようなところがある」と語り、「名づけ得ぬものへの賛歌 安田侃に」と題した詩を読まれました。「侃ちやん わが友よ」「侃ちやん どつしり重い君の石は・・・」と親しげに語りかける詩です。そして、イタリアの大理石で作られた池で遊ぶ幼稚園児を見て「それがいい」と喜び、彫刻に触ってもよいこの場所を、日本でも珍しいくらいに開かれた、いい芸術広場と評しました。
大岡信さんと安田侃さんの出会いは、アルテピアッツァ美唄が生まれる前の1985年のこと。イタリアで活躍していた安田侃さんも日本ではまだあまり知られていなかった頃です。大岡信さんの奥様の深瀬サキさんが東京の倉庫画廊上田ウエアハウスでの個展の初日をご覧になり、「とてもいい」とまず魅了され、その後、ご夫婦でファンになられたそうです。
安田侃さんの彫刻を「壮麗さにおいても雄大さにおいても比類がない」と表現し、1994年のヨークシャー・スカルプチャー・パーク(イギリス)での安田侃野外彫刻展「大理石とブロンズ」展では、大岡信さんと安田侃さんが一緒に作品を見て回る様子がNHKのテレビ番組「日曜美術館」で紹介されました。作品を次々読み解く大岡さんの言葉には、時に、作者自身も気づいていないことを言い当てるようなところがありました。
彫刻に寄せた詩を作り、方々にアルテピアッツァ美唄を紹介してくれた大岡信さんの訃報に接し、安田侃さんは、「まだ安田侃とアルテがほとんど知られていない時、確固たる言葉で評価してくださった最初の人」と感謝し、別れを惜しんでいます。安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄スタッフ一同、謹んで哀悼の意を表します。
4月8日(土)から17日(月)まで、ギャラリー(木造校舎2階)で、大岡信さんが安田侃さんの彫刻やアルテピアッツァ美唄に寄せた詩の数々やアルテピアッツァ美唄での講演会の映像などをご覧いただけます。※11日は休館日
入場料
無 料
(任意による寄附をお願いします)
駐車場
無 料
- 第1.2駐車場
- 140台
- 身障者用駐車場
- 7台
- カフェ駐車場
- 25台
開館時間
水~月曜日
9:00~17:00
休館日
毎週火曜
祝日の翌日(日曜は除く)
12月31日~1月3日