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　先日、安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄の施設内をゆっくりと散策され、ギャラリーにあるアルテ文庫で、一時間ほど読書をされた方がいらっしゃいました。

　帰りがけに、その方はご自身の闘病についてお話しくださり、「もう痛みに耐えられないという時に、美しいものが、少し離れたところから客観的に痛みを眺める力をそっと与えてくれるんです。今日は自然の中の石の芸術に、力をいただいて帰ります」とおっしゃっていました。
　安田侃さんは以前、「僕の彫刻が、自分を映す鏡になったら。今の気持ちを託したり、自分を考えるためのきっかけになってもらえたら」とお話されていました。
　日々の生活で不安になったり悩んだりしても、日常から離れる時間や場所があると、気持ちがふっと軽くなるような感覚になれるのかもしれません。

　やわらかい表情でお帰りになったその方を見送りながら、スタッフも温かい気持ちになりました。
　ありがとうございます。またお待ちしていますね。