みんなの「こころ」- 14

お住まい(都道府県)
北海道
性別
女性
制作延べ日数
約8日間
これまでに「アート活動」をしたことはありますか
自然のなか、暮らしの中、あらゆるところにアートはひそんでいると思います。偏屈ですが、「アート活動」とはなんだろう?と考えて導いた答えもその一つなのかもしれません。こころを彫ることがアート活動であることと同様に。技術を教わった習い事はいくつかありますが「アート活動」ではなかったかも(笑)。つくりあげる、ということだけではなく、何かを見出すこと。そんな事柄を大切にしたいです。こころを彫る授業では、手取り足取り教わることはなく、答えのない中で自分が考えたり感じたりする時間であったために、自然に続けられたと思います。
授業に参加した感想をお聞かせください
夫の転勤で北海道へ引っ越してきて、2年程度の在住予定であったため、どのように過ごそうか、ぼんやりしていた頃に、偶然知り合った友人に誘われ、アルテピアッツァを訪れました。公園全体に雪がしーんと音をひそめ、工房ではストーブが焚かれており、皆一心に石と向き合っていました。この不思議な空間と時間に惹かれて、また「これからの2年間をなんとなくでも石に表わせたら」と、2年で一つを完成させることを目標に、授業に参加することにしました。アルテの空間はもとより、同じ時間を共有する仲間のみなさんが個性的で素敵な方ばかりで、北海道を離れたいま、こころのふるさとの一つになっています。
作品について、ひとことお願いします
「彫る」ということがよくわからず、「割る」ことにしました。石をたたいてみて、割れたところの断面を見たかったというのもあります。2つに割れた状態では違和感があり、最終的に3つに割りました。石の表面は白くて柔らかく、この柔らかい部分をこそげ落とし、「石の贅肉を落として筋肉だけにする」ことを試みました。一部に何も手を付けないやわらかい部分を残し、割ることにより現れた筋肉質できめ細かい肌と比較観察できるようになり、うれしいです。3つのこころは、今の拠点である東京と新潟にひとつずつ置き、もうひとつはアルテにとどめてもらい、続きを彫って成長させることを楽しみにしています。
あなたにとって「こころを彫る時間」とはどのようなものですか
同じ空気感をもつ仲間と過ごせる特別な時間でもあり、普段のくらしの中でつい忘れてしまうがちな原点と向き合える素の時間でもあります。「こころを彫る時間」という機会をつくってくださった安田先生や工房スタッフのみなさま、この時間を教えてくれた友人に感謝しています。人は一人だけれど、一人じゃないんだなと感じます。